てぃ～だ かんかん

　棟梁(じいさん)は、奥様に先立たれ 現在一人暮らし。
　お子さん達に迷惑のかからないよう、日々の食事にも気を使い、
　「８８くらいになったら、自分で動けなくなったら、母ちゃんが迎えに来てくれるんだ」
　少し寂し気に、目尻を下げ、優しい顔でそんな事を言う。
　現在 病院の敷地管理人・マンションの清掃・庭の剪定・踊り(舞台)・都内施設でのボランティア～～
　知れば知る程 奥の深いオヤジ。

　
　週に数回は電話を貰う。
　その日 一日あった事。
　明日うどん打つけど、食べる？食べるんだったら打つよ。
　うどんあげる友達から野菜貰ったけどいる？
　天然のわかめを取り寄せたんだ。使うならあげるよ。
　
　棟梁は、寂しがり屋で情深い方だ。

　一昨日も 「明日、何時も打ってる友達のうどん打つけど 食べるなら打つよ」
　そんなこんなで 週一か隔週で、棟梁宅へ伺っている。
　一番最初は ただ貰う訳にもいかん と思い
　買ったものよりは～と、何品か(食べ物)作って持って行った。
　翌日 「美味しかった～。ありがとう。」 の電話が。
　沢山 頂いて、頂き過ぎて、ありがとうは私のセリフなのに・・
　その次も、同じ様に 何品か作って持って行った。
　爺さんの一人暮らし。普段はご自分で料理をなさっている。
　お口に合うか分からないが、こんな事しか出来ないので 私のささやかな感謝。
　「親切にありがとう。また明日から、おかずの楽しみがある。」
　そんな言葉が 棟梁の心をうつす。

　
　南瓜の煮物　キャベツとツナの和え物(胡麻・セミセパ)　きんぴら牛蒡
　わかめと胡瓜の和え物(シークヮーサードレッシング)　おいなりさん
　※わかめと胡瓜は、先週 棟梁から頂いたものだ。
　　 佐渡で採れた天然のわかめは、食感が良く ぷりぷりして美味しかった。
　　 胡瓜は、農家さんから頂いたものらしい。
　おいなりさんは、前々回持って行った時 美味しかった と喜んでくれたので。
　きんぴら牛蒡は、私が好きで よく作る。

　前回は、母が送ってくれた らふてぃー てびち もずく も持って行った。
　他に ゴーヤーと玉葱のサラダ　　。。あとは忘れちゃいました
　らふてぃー(角煮) を食べるのは初めてらしく、何度も何度も 美味しかったぁ～ の声。
　うん。母の作ったものは 何でも美味しい
　母のてぃ～あんだ を、何時か 受け継ぐ事が出来ればと思う。


　母　 「アンタは何処ででも友達を作ってくるねぇ。」
　妹　 「ホントに。でも、お姉ちゃんの友達って 皆いい人だから。」
　ツレは何時も、そこに便乗する。

　恵まれた環境の中、その繋がり(出会い)を生かせるかどうかは私次第だ。
　子供達にも言っているが　何でも、心 が大事。
　たまに 曲がってしまう事もあるけれど、ずっと 美しい を保つのは難しいけれど、
　心をもって 生きることが出来れば、何時か 何かに繋がる事が出来ると思う。
　虎吉(私のオジイ)が、何時も 真心 を教えてくれていた。