てぃ～だ かんかん

　長女出産直前～3年程住んでいた。
　近年、乗り換えか 呑む時にしか
　降りる事は無い。

　歩いていると、当時の事を思い出し
　悲しくなる。
　長女と二人で歩いた道。



　橋の手前にある たい焼き屋 へ寄り道。
　その先の新聞屋に犬がいて、彼女は必ず そこへも寄った。
　秋には、橋を渡り 本立寺 の銀杏の葉を踏みに行き。
　春には、川沿いに舞い落ちた花や花弁を拾いながら散歩。
　武蔵関公園まで歩いたりね。

　心に余裕無く。 もっと、伸び伸びと育てれば・・
　あの頃に、思い 色々。

　あれから、十数年の時が流れた。


　花より花弁が好きになり、花弁より蕾が好きになった。
　蕾より、幹に生える若葉を愛おしく思い、
　その若葉より、幹の根を大事に思うように。
　枝に残る、花が落ちた後も好き。

　気が早いぞ と言われるが、
　老い 朽ちる　 そこへの道程を楽しみ始めている。


　東京へ来たばかりの頃。 染井吉野に魅了された。
　その下でする 花見(宴会) もね。
　酒に酔いながら、ちら ヒラ と舞い散る景色に浸った。

　何時からか。
　地元贔屓でなく、カンヒザクラ(緋寒桜)の ボテ と落ちる様子。
　あれが頭を離れず、心を掴む。　 人間味があり、深い。



　人の一生って、あっという間だなと 桜を見ると思う。
　気が付いた時には死んでんじゃねぇか? と思うと、
　無性に 勿体無い 精神が芽生えてくる。
　朽ち が好きな割に、生きる事への貪欲さは変わらんようだ。